風色top横浜蒐集録top横浜蒐集録02横浜蒐集録04


以前横浜を飲み歩いている知人の某氏より「素人は福富町で飲んじゃいけないよ」と冗談交じりに脅かされたことがあったが、事実福富町の路地沿いに並ぶ店からはそんな印象を受ける。乱暴に言ってしまえば、怪しい飲み屋やソープランドが点在する街、チンピラさんの似合う街だ。小心者の私は某氏の教えを今に至るまで忠実に守っているが、しかしどうしてもそんな私の心を惹き止めるものがある。都橋商店街だ。

画像をクリックすると拡大版がポップアップ表示されます。




おひさまキラキラおひるです


みなとみらい、山下公園、元町、関内、山手といった「お洒落」「ロマンティック」「ハイソ」「近代の黎明」というイメージが先行する場所を横浜のお化粧した顔とするならば、伊勢佐木、福富町、野毛、黄金町、横浜橋、寿町といった街々は素顔、はたまた裏の顔とでも言うべき姿を曝け出している場所だろう。庶民の生活、赤提灯、川沿いの桜、演芸などとともに、ヤクザ、不法滞在外国人、売春、薬、ドヤ街という側面が同じ空間に混在し混沌としている。良い悪いは別にして、街に対して行政と経済力が積極的に介入する首都東京だとこうした混沌は一部の濃厚な場所を除けば確実に消えつつあるが、地方都市たるこの横浜はそうした混沌があちらこちらに残っているのだ。つまり横浜は東京に比べて行政の締め付けが緩く金のめぐりも悪い。だから新陳代謝も滞りがちになり、それだけ昔の雰囲気も、訳のわからぬ混沌も、一緒くたになって今に息づいているわけだ。




ネオンテカテカよるです


都橋商店街は、商店街とはいえ見ての通り昭和の臭いが強く残す飲み屋街である。東京オリンピックが開催された昭和39(1964)年、野毛本通りに店を出していた露店・屋台の赤提灯を収容してできたのがこの都橋商店街のはじまりだ。 川のカーブに沿って建てられた細長い建物が何とも言えない味を醸しだしている。ハーモニカ長屋風の棟割店舗にはそれぞれ店名の入ったサインが提げられ、川にせり出したサインが哀愁深く川面を照らす。高度経済成長期の日本、そして接収解除によってようやく活気を取り戻そうとしていた当時の横浜の面影を、店々から漏れる湿った空気とともに今の世に伝えているようだ。


所在地
 横浜市中区野毛町1丁目・宮川町1丁目(大岡川沿い) 地図(MAPFAN)


風色top横浜蒐集録top横浜蒐集録02横浜蒐集録04メール

(c) 2003 K-I All rights reserved.