風色top東京蒐集録top東京蒐集録03東京蒐集録05


渡し舟といえば前世紀に消えてしまったもののように思われるが、日本各地には探せばまだ残っている箇所もあり、しばしばテレビや雑誌で紹介される度に、ノスタルジーと共にゆったりとした時の流れを感じさせてくれる。

東京では江戸川の「矢切の渡し」が観光色の強い渡し舟として演歌の臭いを漂わせながら現存している。一方京浜間を流れる多摩川にも嘗ては矢口・丸子・二子・登戸など多くの渡し舟が存在したが、現在ではみな交通量の激しい橋に取って代わられた。両岸が都市化しているこの川に渡し舟は無縁となってしまったようだが、実は一箇所だけ現役の渡し舟がある。

画像をクリックすると拡大版がポップアップ表示されます。




お客さんを迎えに行く舟


この渡し舟は世田谷区玉堤と対岸の川崎市中原区宮内を結んでおり、毎日きちんと両岸を行き来している。とはいえこの渡し舟を利用できる客は限定されており、いきなりここへ来て乗ることはできない。この渡し舟は「東急ゴルフパークたまがわ」のプレイ客専用なのだ。事情を説明すると、河川敷のショートコースゴルフ場であるこの「東急ゴルフパークたまがわ」は、クラブハウスが東京都側(多摩川左岸)にあるのだが、コースは神奈川県側(右岸)にあるため、どうしても川を渡らなくてはならないわけだ。このため舟に乗る客はみなキャディーバッグを肩に掛けながら桟橋まで歩いてくる。ショートコースは一般的なコースと違って力の抜けたのんびりした空気が流れているが、この渡し舟はその雰囲気に輪を掛けているようだ。
今は船外機を積んでスクリューで動いているが、朧げな私の記憶によれば、昔は船頭さんが両岸に渡されたロープを手繰って対岸まで舟を移していたはずである。


所在地
 世田谷区玉堤1丁目・川崎市中原区宮内1丁目 地図(MAPION)
 


風色top東京蒐集録top東京蒐集録03東京蒐集録05メール

(c) 2004 K-I All rights reserved.